2013-10-25

光待つ場所へ

かなり久しぶりに読む辻村深月の本。
「ツナグ」の映画化や直木賞受賞などどんどんビッグになっているのですが
どうも初期のころの作品が好きすぎて、ちょっと読むのがこわい気もしていました。

本作は辻村深月お得意のスピンオフ作品のようで、
初期作品の登場人物が出てきていることもあり、
痛々しい独特のの感情、切なさなど、ちょっと懐かしく感じる気持ちで読むことができました。
ただあまり過去の作品の人物を意識し過ぎて読むのが好きでないので
ひとつのストーリーとして読ませてもらいました。

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2012-08-13

ふちなしのかがみ

かなりひさびさの読書ネタ。
辻村深月の短編集で、しかも初のホラー小説集であるらしいです。
デビュー作も長編でしたが、ホラーという括りに入れれそうな気がしますが、、

全部で5編あるのですが、一番良かったのは最初の「踊り場の花子」。
だんだんとゾクゾク感がこみあげてくる感じは、ホラー小説としてかなり重要。
奇抜さはないかもしれませんが、うまくまとまっているなと思いました。

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2011-10-16

水底フェスタ

大好きな作家の一人、辻村深月の新作。
これまでとは少し雰囲気の違う作品のように感じました。
いわゆる深月ワールドが大好きな人にとっては、
なんだかモノ足らなさのある作品かもしれません。

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2011-06-23

本日は大安なり

3作連続の辻村深月。
ひとつの結婚式場を舞台に、そこで式をあげる何組かのカップルの
ストーリーを同時進行で描いています。

ちょっと話がいろんな人に行ったり来たりはするのですが、
それぞれがフクザツに絡み合うわけでもないので、
それほどに混乱することもありませんでした。
反対にもうちょっと絡んでも面白いのになーと思った感じです。

双子の入れ替わりが、最初は重い雰囲気だったのに、
二度目のときにはなんだかムキになっている感じだったのが
ちょっとほほえましかったです。


「本日は大安なり」
辻村 深月
新潮社
★★★★☆(4点)

2011-06-16

ツナグ

死者とたった一度だけ文字通り会う機会をつくってくれる使者、それが「ツナグ」。
この設定を見たとき、まっさきに浮かんだのが伊坂幸太郎っぽい!でした。

舞台設定としては伊坂幸太郎っぽい気がしましたが、
内容はやはり辻村深月。
特に「親友の心得」はまさに辻村深月ワールドで、さらに「使者の心得」で
ちょっとつらすぎる(コワすぎる)感じでした。

個人的には「待ち人の心得」が素直に感動できて良かったです。
あとはそれぞれ短編になっているものが、最後の「使者の心得」で
なぞっていく仕立てもなかなかいいなと思いました。


「ツナグ」
辻村 深月
新潮社
★★★★★(5点満点)

2011-06-10

オーダーメイド殺人クラブ

“オーダーメイド殺人”というタイトルのつけ方がうまいなーと思いつつ、
もしかしたらいつもの辻村深月とは違う感じなのかな?とも思ったのですが、
超辻村深月ワールドでした。

アンを中心にした女子の学校生活にプラス、オーダーメイド殺人を計画する
アンと徳川の話って感じなので、あまり共感ポイントは多くなかった気がします。
もっと普段の徳川の生活や視点も盛り込んで欲しかった気がしますが、
それをやるときっとあのラストにできないですよねえ。

読みながら、これはいったいどういう結末を迎えるのか、
それによってだいぶ印象が変わるだろうなあと思っていたのですが、
終わり方は本当にいい雰囲気だったと思います。

友人・クラスメート、家族ともなんだかんだと折り合いがつき、
ストンと収まるところに収まっているのが、普通と言えば普通かもですが、
なんかほっとした感じです。


「オーダーメイド殺人クラブ」
辻村 深月
集英社
★★★★☆(4点)

2010-09-26

名前探しの放課後

本当は新書系を読む順番を飛ばしてしまっているのですが、
辻村深月が出たからにはしょうがありません。

なんとまたまたタイムスリップです!!流行ってるんでしょうか。。

知らない間にわずか3ヶ月前に戻ってしまった主人公は、
クラスメイトが自殺したという未来の記憶を持っているのですが、それが誰だったのか思い出せない・・・

あれ、なんだかこれって聞いたことがあるような、、
そう、辻村深月のデビュー作「冷たい校舎の時はとまる」と設定がソックリ!
なので最初の頃の少し背筋ゾクゾク系を思わず期待しましたが、やはりそっちではなかったようです。

以下ネタバレあり!

「名前探しの放課後(上)(下)」
辻村 深月
講談社文庫
★★★★★(5点満点)
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2010-07-20

ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。

大好きな作家の一人、辻村深月の作品なのですが、
この本に関して言えば、やはり女性が読む本なのかなーというちょっとした疎外感を感じました。

女友達という関係、母娘という関係、なんとなくではわかる気持ちはありますが、
やはり本質的には理解できてないだろうなーという印象です。
その点で★をマイナスしてしまいました。

みずほのチエに対する立ち位置もわかったような、わからないような、、
本当に微妙な心理、微妙なバランスだったように思います。
みずほと母の関係も最後まで掘り下げて欲しかったところです。

辻村深月は普通なら目を背けたくなるような人の心を、相変わらずストレートに突いてきて、
苦しさ・重さを感じるところが大きいのですが、
そこに押しつぶされるでもなく、でもすっきり解決するわけでもなく、
常に考えさせられるなあと思います。


「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」
辻村 深月
講談社
★★★☆☆(3点)

2010-04-13

V.T.R.

「スロウハイツの神様」の作品の中に出てくる登場人物、チヨダ・コーキのデビュー作「V.T.R.」。
つまり辻村深月の作品中の登場人物のデビュー作を、辻村深月が書くという、
なかなか趣向を凝らしたアイデアです。

こちらのイメージでは辻村深月とチヨダ・コーキが同じテイストの物語を書く感じではなかったので、
余計にどんな仕上がりになるのかが気になり、ノベルスのうちに買いました。

V.T.R.

表紙のテイストはさすがチヨダ・コーキ的!
しかも両面印刷になっていて、片面は辻村深月、片面はチヨダ・コーキを
著者に見立ててデザインしてあるという凝りっぷりです。

ストーリーは、こちらが描いていたチヨダ・コーキよりも
ちょっとカッコ良すぎる世界のようなイメージでした。
現実の世界とは違った設定になっていることもあり、
余計にそう感じたのかもしれません。

やはり辻村深月のテイストはあまり感じさせないなーと思いながら読んでいたのですが、
登場人物ひとりひとりの影の深さ、人と人(もしくはロボット)のつながり、
そういったところにはしっかりと辻村深月の世界があったと思います。

※一番下にネタバレの感想があります。


「V.T.R.」
辻村 深月
講談社
★★★★☆(4点)


ティーがトランス=ハイであるというのは、
きっと多くの人が途中で気付いてたりするんだろうなーと思ったのですが、
自分はめったにそういうのに気付くことなく入り込んで読んでいるので、
今回も「あーー」と思えてそれはある意味幸せでした(笑)

ですが、どうも腑に落ちないのが、ティーがJの家族を殺しているにも関わらず、
友人として付き合っていること。Sの目のこともあるのに。。
そこだけがどうもモヤモヤしています。

2010-01-22


単行本を借りることができたので、連続で辻村深月になりました。
ちょっとこれまでの辻村深月っぽくない感じと思いながら読んだのですが、
良くも悪くも人物描写の深さはやっぱりらしさのように思いました。
ただし、今回はかなりねちねちしたというか、あまり良くない感情にスポットが
強く当たっていたような気がします。

「同窓会」というのを“過去のしがらみ”の象徴として描き、
それぞれが自分の進む道をしっかり見据えて進んでいこう!というメッセージ性が
あらわれていたのではないかと思いました。
人によってはあいまいに消えてしまった感もありましたが。。

聡子が最後にキョウコと仲良くしている描写がさらっと出てきたところに、
かなわない夢を恥ずかしく思って隠すのではなく、
自分がきちんと頑張っているならば必ず認めてくれる人がいて、
さらに一歩先に進んでいけるんだろうなと感じました。


「太陽の座る場所」
辻村 深月
文藝春秋
★★★★☆(4点)