2011-06-29

小説ルパン三世

前に「こち亀」の小説もあったし、こういうの流行ってるのかなーと思ったら
だいぶ以前に出たものの文庫化のようです。

作家さんによっていろんなルパンが描かれてるのかな?と思っていたのですが、
やはりルパン像というのはそんなに大きく変わらないようですね。
どの話もほとんどアニメとの違和感なく読めました。

小説としても十分楽しめたのですが、
やっぱりアニメをよく見た自分的には、あのアニメ独特の世界観が
いいよなーと思ってしまいました。


「小説ルパン三世」
大沢 在昌、新野 剛志、光原 百合、樋口 明雄、森 詠
双葉文庫
★★★★☆(4点)

2011-06-23

本日は大安なり

3作連続の辻村深月。
ひとつの結婚式場を舞台に、そこで式をあげる何組かのカップルの
ストーリーを同時進行で描いています。

ちょっと話がいろんな人に行ったり来たりはするのですが、
それぞれがフクザツに絡み合うわけでもないので、
それほどに混乱することもありませんでした。
反対にもうちょっと絡んでも面白いのになーと思った感じです。

双子の入れ替わりが、最初は重い雰囲気だったのに、
二度目のときにはなんだかムキになっている感じだったのが
ちょっとほほえましかったです。


「本日は大安なり」
辻村 深月
新潮社
★★★★☆(4点)

2011-06-16

ツナグ

死者とたった一度だけ文字通り会う機会をつくってくれる使者、それが「ツナグ」。
この設定を見たとき、まっさきに浮かんだのが伊坂幸太郎っぽい!でした。

舞台設定としては伊坂幸太郎っぽい気がしましたが、
内容はやはり辻村深月。
特に「親友の心得」はまさに辻村深月ワールドで、さらに「使者の心得」で
ちょっとつらすぎる(コワすぎる)感じでした。

個人的には「待ち人の心得」が素直に感動できて良かったです。
あとはそれぞれ短編になっているものが、最後の「使者の心得」で
なぞっていく仕立てもなかなかいいなと思いました。


「ツナグ」
辻村 深月
新潮社
★★★★★(5点満点)

2011-06-10

オーダーメイド殺人クラブ

“オーダーメイド殺人”というタイトルのつけ方がうまいなーと思いつつ、
もしかしたらいつもの辻村深月とは違う感じなのかな?とも思ったのですが、
超辻村深月ワールドでした。

アンを中心にした女子の学校生活にプラス、オーダーメイド殺人を計画する
アンと徳川の話って感じなので、あまり共感ポイントは多くなかった気がします。
もっと普段の徳川の生活や視点も盛り込んで欲しかった気がしますが、
それをやるときっとあのラストにできないですよねえ。

読みながら、これはいったいどういう結末を迎えるのか、
それによってだいぶ印象が変わるだろうなあと思っていたのですが、
終わり方は本当にいい雰囲気だったと思います。

友人・クラスメート、家族ともなんだかんだと折り合いがつき、
ストンと収まるところに収まっているのが、普通と言えば普通かもですが、
なんかほっとした感じです。


「オーダーメイド殺人クラブ」
辻村 深月
集英社
★★★★☆(4点)

2011-06-09

ビターブラッド

前に「犯罪小説家」を読んだときに、解説の既刊書を見たら、
この本を読んでいないことに気付いて買いました。

刑事モノといえば「犯人に告ぐ」の印象があるのですが、本作はまったく違う雰囲気。
新人刑事の夏輝が、現場で組むことになったのが別離していた実の父親。
こういう設定はどちらかというと重ためな雰囲気になりがちだと思うのですが、
この父親が独特で面白いため、とても軽快です。

反発する夏樹に対して、やたらと声をかけ、スーツを仕立ててやり、
ご飯に誘い、もちろん仕事のやり方も伝授(ジャケットプレイ、笑)します。

ストーリーについてはちゃんとした刑事モノとして成り立っていますが、
少し夏樹を中心に回りすぎでは?というのもなくはないです。
でも軽く読む小説だと思うので、あまり気にしないこととします。

そして特筆すべきは、この作品には「ふんんんんっ」があることです!
雫井作品には必ずこれがあったはずなのですが、
いつしかこのセリフがない小説も出てきて(たぶん)
非常に残念に思っていたのですが、今作はあります!!


「ビターブラッド」
雫井 脩介
幻冬舎文庫
★★★★☆(4点)

2011-06-04

真夜中のパン屋さん

前に雑誌のBRUTUSで本屋特集を買い、そのときに「子どものころは本屋かパン屋になりたかったなあ」と
いうのをふと思ったところに、パン屋の小説があったので、思わず買ってしまいました。
しかも真夜中に開くパン屋という設定が何とも興味をそそります。

パン屋のオーナー暮林のおっとり感と、口の悪いが腕はすごいパン職人の弘基、
居候としてあらわれる希実、それぞれがとてもいい味を出していて、
ちょっと短編小説のように、物語が少しずつ絡み合いながら進んでいくのも
なかなか楽しかったです。
以前に読んだ「コンビニ・ララバイ」とちょっとだけ近いイメージがありました。

暮林と弘基がなぜ一緒にパン屋をしているのか、というのも意外な話でしたし、
最後のちょっと泣ける雰囲気も、かなり良かったです!

とりあえずおいしい焼き立てパンが食べたくなりました(笑)

「真夜中のパン屋さん」
大沼 紀子
ポプラ文庫
★★★★★(5点満点)

2011-05-30

ジーン・ワルツ

作品全体としてはあまりのめり込めない感はあったのですが、
個人的には代理母出産問題よりも、産婦人科医療の現状(窮状?)について
深く考えさせられる作品ではないかなと思いました。

チーム・バチスタあたりとは違って、あまり登場人物が多くないので、
より一層理恵の存在が大きく描かれている気がするのですが、
信念の強さという面はわかるのですが、なんか共感できない雰囲気があって、
そのあたりはちょっと残念。

ストーリーとはまったく関係ないのですが、海堂作品の登場人物はなんで
人呼んで「○○○○○」みたいなあだ名ともつかないような呼称をつけるんでしょうか。。


「ジーン・ワルツ」
海堂 尊
新潮文庫
★★★☆☆(3点)

2011-05-27

前に読んだ「密室の鍵貸します」はさほどではなかったものの、
もうちょっと読んでみたいなと思ったので、東川篤哉2冊目。

今回もユーモアの感度は「謎解きはディナーのあとで」には及ばないですが、
「密室の鍵貸します」よりは、バカバカしさが徹底されていて好きでした。
でもこの本に関しては、やはりトリックのすごさにオドロキです!

瀬戸大橋建設前と時代的にはちょっと古いのですが、
橋桁のひとつにされてしまう島の悲哀みたいなものもちょっと考えさせられましたし、
そういう部分も含めての壮大なトリックがスゴイなと思いました。


「館島」
東川 篤哉
創元推理文庫
★★★★☆(4点)

2011-05-24

BRUTUS 本屋好き 2011年 6/1号

子どものころになりたかったのが、本屋&パン屋。
もちろん単純に昔から本とパンが好きだったという安直な理由なわけですが、
当時はまだ街の本屋さんって結構たくさんあって、レジで本読みながら過ごす店長とかがいたのです。

「好きな本を一日中読みながら過ごせるなんてなんて楽でいい仕事!」
(子どものころからそんな気楽さを求めるなんてなんてやる気のない子ども!)

実際は本屋もパン屋もそれを現実的な夢とすることもなく、
普通に働いてしまってるわけですが、今思ってもやれるならやりたいなーと憧れます。

そんな憧れの本屋さんがてんこ盛りの今回のBRUTUS。
今はある特定ジャンルに強かったり、オシャレ系カルチャー本を扱うとか、
個性的な本屋さんがほんと多くなりました。

自分にとっても本屋は1日いても飽きない場所なので、
今後もそんな楽しい本屋さんができたらいいなーと思っています。


「BRUTUS 本屋好き 2011年 6/1号」
マガジンハウス
★★★★★(5点満点)

2011-05-23

犯罪小説家

雫井脩介のゾクッとする本といえばやはり「火の粉」がとても印象的なので、
この本にも結構期待をしていたのですが、残念ながらやや期待外れ。。

新進作家の待居涼司がある賞をとった小説の映画化が決定。
有名脚本家の小野川が映画監督を務めることになるが、
一方的な解釈と、過去の自殺系サイトで起きた事件を強引に絡ませようとし、
2人の間には深い溝ができていく、、
そして実際に自殺系サイトの真実が徐々に明かされていくとき、そこには意外な結末が-

という感じであらすじを書くと結構おもしろそうなのですが、
恐怖感を味わえるのは最後のちょろっとだけで、
そこに至る過程がなんだかあまりにも退屈なのでした。


「犯罪小説家」
雫井 脩介
双葉文庫
★★☆☆☆(2点)