2011-08-19

いつか、虹の向こうへ

ハードボイルド系の小説を読むのはかなり久しぶりな気がします。
ある事件で職も妻も失った元刑事が、まったくの他人3人と同居生活をしているという設定が
まずハードボイルド小説っぽくなくていいなと思いました。

主人公の尾木の雰囲気は確かにハードボイルド系だと思うのですが、
居候を3人も抱えているように、とても人間味があって、人の優しさに飢えている、
そんな雰囲気を感じました。

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2011-08-07

ルームメイト

以前に読んだ「いつもの朝に」がとても良かった今邑彩。
ほかの作品をまったく読んだことがなかったので、期待しながら読みました。

意識したわけではないのですが、先に読んだ「天使の眠り」と内容がかぶってるところがあり、、
ルームメイトがまるで別人のようになり、彼女の後を追うと事件が・・・という感じです。

(以下ネタばれあり!)
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2011-07-31

天使の眠り

ひさびさの読書。

13年ぶりに再会した愛する女性は、年をとっておらず雰囲気もあまりに変わっていた。
そして彼女に周囲では謎の死をとげる男が複数いて、、、
とサスペンスとしてはなかなか気になるあらすじだったのですが、
もうひとつ入り込めない感がありました。
テンポよく読むことはできたので早く読み終わりましたけど。

そしてラストがなんだかあまりに唐突感があって、え!え!という感じで
終わってしまったのが一番腑に落ちないところでしょうか。
仮にそういう結末になるとしても、そこの描き方はもっとていねいで
あってほしかったような気がしました。


「天使の眠り」
岸田 るり子
徳間文庫
★★★☆☆(3点)

2011-06-29

小説ルパン三世

前に「こち亀」の小説もあったし、こういうの流行ってるのかなーと思ったら
だいぶ以前に出たものの文庫化のようです。

作家さんによっていろんなルパンが描かれてるのかな?と思っていたのですが、
やはりルパン像というのはそんなに大きく変わらないようですね。
どの話もほとんどアニメとの違和感なく読めました。

小説としても十分楽しめたのですが、
やっぱりアニメをよく見た自分的には、あのアニメ独特の世界観が
いいよなーと思ってしまいました。


「小説ルパン三世」
大沢 在昌、新野 剛志、光原 百合、樋口 明雄、森 詠
双葉文庫
★★★★☆(4点)

2011-06-23

本日は大安なり

3作連続の辻村深月。
ひとつの結婚式場を舞台に、そこで式をあげる何組かのカップルの
ストーリーを同時進行で描いています。

ちょっと話がいろんな人に行ったり来たりはするのですが、
それぞれがフクザツに絡み合うわけでもないので、
それほどに混乱することもありませんでした。
反対にもうちょっと絡んでも面白いのになーと思った感じです。

双子の入れ替わりが、最初は重い雰囲気だったのに、
二度目のときにはなんだかムキになっている感じだったのが
ちょっとほほえましかったです。


「本日は大安なり」
辻村 深月
新潮社
★★★★☆(4点)

2011-06-16

ツナグ

死者とたった一度だけ文字通り会う機会をつくってくれる使者、それが「ツナグ」。
この設定を見たとき、まっさきに浮かんだのが伊坂幸太郎っぽい!でした。

舞台設定としては伊坂幸太郎っぽい気がしましたが、
内容はやはり辻村深月。
特に「親友の心得」はまさに辻村深月ワールドで、さらに「使者の心得」で
ちょっとつらすぎる(コワすぎる)感じでした。

個人的には「待ち人の心得」が素直に感動できて良かったです。
あとはそれぞれ短編になっているものが、最後の「使者の心得」で
なぞっていく仕立てもなかなかいいなと思いました。


「ツナグ」
辻村 深月
新潮社
★★★★★(5点満点)

2011-06-10

オーダーメイド殺人クラブ

“オーダーメイド殺人”というタイトルのつけ方がうまいなーと思いつつ、
もしかしたらいつもの辻村深月とは違う感じなのかな?とも思ったのですが、
超辻村深月ワールドでした。

アンを中心にした女子の学校生活にプラス、オーダーメイド殺人を計画する
アンと徳川の話って感じなので、あまり共感ポイントは多くなかった気がします。
もっと普段の徳川の生活や視点も盛り込んで欲しかった気がしますが、
それをやるときっとあのラストにできないですよねえ。

読みながら、これはいったいどういう結末を迎えるのか、
それによってだいぶ印象が変わるだろうなあと思っていたのですが、
終わり方は本当にいい雰囲気だったと思います。

友人・クラスメート、家族ともなんだかんだと折り合いがつき、
ストンと収まるところに収まっているのが、普通と言えば普通かもですが、
なんかほっとした感じです。


「オーダーメイド殺人クラブ」
辻村 深月
集英社
★★★★☆(4点)

2011-06-09

ビターブラッド

前に「犯罪小説家」を読んだときに、解説の既刊書を見たら、
この本を読んでいないことに気付いて買いました。

刑事モノといえば「犯人に告ぐ」の印象があるのですが、本作はまったく違う雰囲気。
新人刑事の夏輝が、現場で組むことになったのが別離していた実の父親。
こういう設定はどちらかというと重ためな雰囲気になりがちだと思うのですが、
この父親が独特で面白いため、とても軽快です。

反発する夏樹に対して、やたらと声をかけ、スーツを仕立ててやり、
ご飯に誘い、もちろん仕事のやり方も伝授(ジャケットプレイ、笑)します。

ストーリーについてはちゃんとした刑事モノとして成り立っていますが、
少し夏樹を中心に回りすぎでは?というのもなくはないです。
でも軽く読む小説だと思うので、あまり気にしないこととします。

そして特筆すべきは、この作品には「ふんんんんっ」があることです!
雫井作品には必ずこれがあったはずなのですが、
いつしかこのセリフがない小説も出てきて(たぶん)
非常に残念に思っていたのですが、今作はあります!!


「ビターブラッド」
雫井 脩介
幻冬舎文庫
★★★★☆(4点)

2011-06-04

真夜中のパン屋さん

前に雑誌のBRUTUSで本屋特集を買い、そのときに「子どものころは本屋かパン屋になりたかったなあ」と
いうのをふと思ったところに、パン屋の小説があったので、思わず買ってしまいました。
しかも真夜中に開くパン屋という設定が何とも興味をそそります。

パン屋のオーナー暮林のおっとり感と、口の悪いが腕はすごいパン職人の弘基、
居候としてあらわれる希実、それぞれがとてもいい味を出していて、
ちょっと短編小説のように、物語が少しずつ絡み合いながら進んでいくのも
なかなか楽しかったです。
以前に読んだ「コンビニ・ララバイ」とちょっとだけ近いイメージがありました。

暮林と弘基がなぜ一緒にパン屋をしているのか、というのも意外な話でしたし、
最後のちょっと泣ける雰囲気も、かなり良かったです!

とりあえずおいしい焼き立てパンが食べたくなりました(笑)

「真夜中のパン屋さん」
大沼 紀子
ポプラ文庫
★★★★★(5点満点)

2011-05-30

ジーン・ワルツ

作品全体としてはあまりのめり込めない感はあったのですが、
個人的には代理母出産問題よりも、産婦人科医療の現状(窮状?)について
深く考えさせられる作品ではないかなと思いました。

チーム・バチスタあたりとは違って、あまり登場人物が多くないので、
より一層理恵の存在が大きく描かれている気がするのですが、
信念の強さという面はわかるのですが、なんか共感できない雰囲気があって、
そのあたりはちょっと残念。

ストーリーとはまったく関係ないのですが、海堂作品の登場人物はなんで
人呼んで「○○○○○」みたいなあだ名ともつかないような呼称をつけるんでしょうか。。


「ジーン・ワルツ」
海堂 尊
新潮文庫
★★★☆☆(3点)