2009-10-26


以前に読んだ「再生巨流」と似たようなタイプのビジネス・バトルのストーリー。
今回は完全に楽天市場をモチーフにしているのが、かなり面白かったです。

単純にニュースや新聞で報じられていたような買収などの話だけではなく、
窓口の対応がもうひとつなところだったり、楽天大学のことなどもちょっと書いてあり、
しっかりリサーチしてる!と共感する部分もありました。

一方、物流会社・暁星運輸の展開は「再生巨流」のとき同様、
ちょっとうまくいきすぎじゃない??という部分もあるのですが、
その点は気持ちよく読めるという点で目をつぶります。

ただ、ショッピングモールを立ち上げるにあたって、お店側が「送料無料」をうたうことについて
まったく記述がなかったのはいかがなものかな?と思いました。
実際にネットショッピングをする立場からしても送料がいくらかというのは非常に重要な部分なので、
“物流会社が運営するモールだから、送料がクライアントから値切られることはない”というのは
間違いではないですが、買うお客様の視点があまりなかったのではないかなというのが
ちょっと残念でした。


「ラストワンマイル」
楡 周平
新潮文庫
★★★☆☆(3点)

2009-09-27


「向日葵の咲かない夏」が話題になって人気作家として確立された感のある道尾 秀介。
トリッキーというか、かなり異色なストーリーだったりするのと、
やや暗い話の印象があったので、あまり読みたい!となっていなかったのですが、
この話はそんな雰囲気でもなさそうだったので買ってみました。

今回もややトリッキーな部分があるのですが、
果たしてストーリーとの兼ね合いとしてどうなのかなあ・・・という気がしました。

登場人物のキャラとしての個性は好きだったのですが、
“片眼の猿”の話との絡ませ方がちょっと強引かもと思ってしまいました。


「片眼の猿」
道尾 秀介
新潮文庫
★★★☆☆(3点)

2009-07-30



「Pの迷宮」として出版されていたものを文庫化にあたり、
「黙秘」というタイトルにしたようなのですが、わかりやすさはあるものの
もとの「Pの迷宮」の方が気になるタイトルのような気がしました。

内容のほうはというと、文字通り「黙秘」を続ける犯人の
周囲に起こる出来事が過去や現在を交えて描かれます。

分厚いながらもどうなるのか気になって結構早く読み終えましたが、
正直もうちょっと簡潔にできる部分もあったのでは?とも思います。
伏線の張り方や結末についても、「やられた!」というよりは
すんなりという感じで、ちょっと物足りなさを感じてしまいました。


「黙秘」
深谷 忠記
講談社文庫
★★★☆☆(3点)

2009-07-21



“バーチャル・アイドル”、“パソコン通信”といったキーワードが時代を感じさせますが、
昔に書かれた小説なので、そこはしょうがないところ。

ただこれまで読んだ今野敏の作品と似たような雰囲気があって、
その部分は「あ、またこういう家庭なのか・・・」と思ってしまいました。

ストーリーは一気に読めて、面白いと思うのですが、
終わり方があんまり好みではなかったです。。


「イコン」
今野 敏
講談社文庫
★★★☆☆(3点)

2009-07-10



天才を生み出すために幼児期に教育を施すセンターで育てられ、
少年時代は天才ともてはやされたものの、
大人になるとごく普通の人となって落ちぶれた主人公が、
その教育センターから入社要請を受ける。

あらすじを読むとかなり面白そう!と思ったのですが、
前半部分にこれといった動きがあまりなかった気がして、
ストーリーに引き込まれませんでした。

後半は一気に物語が展開し、また二転三転する部分もあって、
しっかり読ませるのでちょっと前半がもったいなかったです。

あとは登場人物がみんな暗い感じなので、
もうちょっといろんな人がいてもよかったのではないかと思います。


「金のゆりかご」
北川 歩実
集英社文庫
★★★☆☆(3点)

2009-06-17

 
ジェフリー・アーチャーは大学時代にかなり気に入って読んでいた
外国人作家の一人です。

あの頃はシドニー・シェルダン、スティーブン・キング、ジェフリー・アーチャー、
パトリシア・コーンウェルあたりの外国小説を読むのがブームでした。

で、懐かしく買ったのですが、どうも最近は外国小説が好みでないようで・・・。
それなりには楽しめたものの、共感とか深みを感じるでもなく、
かといってめちゃくちゃ痛快!ってほどでもありませんでした。


「誇りと復讐」(上・下)
ジェフリー・アーチャー
新潮文庫
★★★☆☆(3点)

2009-05-11


久々に読むハードボイルド小説。

ナゾのビデオテープとある人の自殺のナゾを追う、
とあらすじはなかなか面白そうだったのですが、
やはりミステリー的な要素よりも、
ハードボイルド感がまさってしまっていて、
もうちょっとそのあたりでハラハラ・ドキドキ感が
欲しかったなと思いました。


「てのひらの闇」
藤原 伊織
文春文庫
★★★☆☆(3点)

2009-04-18


荻原浩らしいユーモア感たっぷりの一冊で、
比較的最初の頃に読んだ雰囲気を感じました。

とにかく主人公、牧村の妄想パワーがすさまじい(笑)
読んでいるこちらが心配になってしまうほどでした。

(さらに…)

2009-04-01


大沢在昌、今野敏、白川道、永瀬隼介、乃南アサという
豪華な作家たちの警察小説の短編集です。

一番良かったのは大沢在昌の新宿鮫シリーズ「雷鳴」。
新宿鮫シリーズをほとんど読んだことはないのですが、
短いストーリーの中にも独特の緊張感、ハードボイルド感、
そして見事な仕掛けが揃っていて、うまいなーと感心しました。

作家毎にそれぞれの味、世界観があると思うのですが、
すべて警察小説という切り口で1冊にしてあるのは
なかなかおもしろい試みだと思います。


「鼓動―警察小説競作」
新潮文庫
★★★☆☆(3点)

2009-03-28


「黄泉がえり」に代表されるように不思議現象の小説といえば梶尾真治。
今回も背後霊が見えてしまうという主人公です。

主人公の力の抜け具合や、
いったいどうなっていくのかというストーリー展開はいいのですが、
後半からの意外(?)な展開と、女の子が急に表に出てくるのが
ちょっとくだけすぎな印象になってしまった気がしました。


「精霊探偵」
梶尾 真治
新潮文庫
★★★☆☆(3点)