2011-08-19

[読書] いつか、虹の向こうへ

いつか、虹の向こうへ

ハードボイルド系の小説を読むのはかなり久しぶりな気がします。
ある事件で職も妻も失った元刑事が、まったくの他人3人と同居生活をしているという設定が
まずハードボイルド小説っぽくなくていいなと思いました。

主人公の尾木の雰囲気は確かにハードボイルド系だと思うのですが、
居候を3人も抱えているように、とても人間味があって、人の優しさに飢えている、
そんな雰囲気を感じました。


ストーリーが進むにつれ、居候たちの過去も明らかになり、
意外な真相も終わりにあるのですが、あまりそこが重要に感じないというか、
その意外さよりも同居人たちのつながりであったり、
ヤクザものとの約束の果たし方であったり、
そういう人情的な部分が心に残る気がしました。

そしてタイトルにもなっている「虹」。
ストーリーの中で『虹売り』の絵本として出てくるのですが、
これがなかなかいい話なのです。
実際にある話ならぜひ絵本を見てみたいところです。


「いつか、虹の向こうへ」
伊岡 瞬
角川文庫
★★★★☆(4点)

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