2010-04-13

[読書] V.T.R.

V.T.R.

「スロウハイツの神様」の作品の中に出てくる登場人物、チヨダ・コーキのデビュー作「V.T.R.」。
つまり辻村深月の作品中の登場人物のデビュー作を、辻村深月が書くという、
なかなか趣向を凝らしたアイデアです。

こちらのイメージでは辻村深月とチヨダ・コーキが同じテイストの物語を書く感じではなかったので、
余計にどんな仕上がりになるのかが気になり、ノベルスのうちに買いました。

V.T.R.

表紙のテイストはさすがチヨダ・コーキ的!
しかも両面印刷になっていて、片面は辻村深月、片面はチヨダ・コーキを
著者に見立ててデザインしてあるという凝りっぷりです。

ストーリーは、こちらが描いていたチヨダ・コーキよりも
ちょっとカッコ良すぎる世界のようなイメージでした。
現実の世界とは違った設定になっていることもあり、
余計にそう感じたのかもしれません。

やはり辻村深月のテイストはあまり感じさせないなーと思いながら読んでいたのですが、
登場人物ひとりひとりの影の深さ、人と人(もしくはロボット)のつながり、
そういったところにはしっかりと辻村深月の世界があったと思います。

※一番下にネタバレの感想があります。


「V.T.R.」
辻村 深月
講談社
★★★★☆(4点)


ティーがトランス=ハイであるというのは、
きっと多くの人が途中で気付いてたりするんだろうなーと思ったのですが、
自分はめったにそういうのに気付くことなく入り込んで読んでいるので、
今回も「あーー」と思えてそれはある意味幸せでした(笑)

ですが、どうも腑に落ちないのが、ティーがJの家族を殺しているにも関わらず、
友人として付き合っていること。Sの目のこともあるのに。。
そこだけがどうもモヤモヤしています。

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